PFAS(ピーファス)とは、有機フッ素化合物のうち人工的に作られたフッ素が多く含まれた化合物の総称。
1万種類以上の物質があるとされている。
水や油をはじき、分解しにくいという性質があるため、1940年頃から防水スプレーやレインコートなどさまざまな生活用品に幅広く活用されてきた。
しかし、PFASの中には有害性が指摘され、2000年頃から製造・輸入が禁止になっているものがある。
「PFOS(ピーフォス)」「PFOA(ピーフォア)」といった化合物がそれで、環境汚染が世界各国で報告されている。
これらの物質は難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質があるため、日本国内でも規制やリスク管理に関する取り組みが進められている。
2022年の環境省の発表では、国内111地点の河川、地下水で暫定目標値(1リットル中50ナノグラム以下)を超える数値が検出されている。
またPFASは「永遠の化学物質」と呼ばれ、自然環境中に長く残留する。土壌に残留すると地下水に浸透し、水道水にまで汚染を広げていくといわれている。
岡山県吉備中央町では、町内の浄水場から極めて高い濃度のPFASが検出された問題を重視し、公費による住民の血液検査を11月26日から開始した。
浄水場から検出されたPFASの濃度は、国が定める暫定目標値の約28倍にも達していたという。
今回の血液検査では、PFASの血中濃度のほか、脂質や肝機能の状態を調べる。
結果は来年1月に通知される予定となっている。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。