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解説 国の基金 「いぐさ・畳表農家経営所得安定化対策基金」

いぐさ・畳表生産者の所得を向上させ、その経営の安定と地域の活性化を図ることを目的に、畳表の価格が下落した場合のセーフティーネットとして造成された基金。
国産畳表価格の変動に応じて助成金を交付する。
所管は農林水産省。基金の設置法人は熊本県い業生産販売振興協会。2014年度に2億6100万円を交付されて造成された。

畳表の国内供給は生活様式の変化による需要減少と海外産品の輸入増加により、08年以降の自給率は20%程度で推移している。
いぐさ生産者数・作付面積の減少傾向に歯止めをかけるためには、その所得向上と経営安定を図ることが必要だとしてこの基金が設置された。

予定では、国産畳の市場価格が下落した際、生産者に一定額を補填する直接支給事業を行うこととしていたが、「畳表価格の下落という不確実な事故が発生しなかったため、補填金の交付がなかった」などとして、基金が設置されて以降、管理費のみが支出されている。
23年度末の基金残高は2億5600万円となっているが、国庫への返納金はゼロ。

当初、23年6月末には基金事業を終了する予定としていたが、「セーフティーネットは必要」との判断から事実上、今後も存続する模様。現段階では、25年6月末に新規申請受付を終了し、26年10月末には基金事業を終了する予定としているが、再延長もあり得る。

 

この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。

相模原市の税理士 冨岡弘文税理士事務所

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