海賊版サイトとは、著作者や出版社など権利者の許可を得ずにアニメや映画、音楽といったコンテンツを不正に公開しているウェブサイトのこと。
コンテンツを無料公開して閲覧者を集め、広告収入を得る仕組みが主流となっている。本来であれば権利者に入るはずの多額の収益が生まれず社会問題化している。
被害額は急速に増えている。
海賊版サイトの情報収集を行うコンテンツ海外流通促進機構(CODA)によると、国内権利者の年間被害額は2019年時点で約4300億円だったものの、22年にはおよそ2兆2020億円とわずか3年間で5倍に膨らんだ。
深刻化の原因としてCODAは、▽コロナ禍の巣ごもり需要によるコンテンツ消費量の増加▽ダウンロード不要で手軽に動画や音楽を視聴できる「ストリーミング再生」の普及▽ベトナムやブラジルといった新興国の運営者の増加などを挙げている。
海賊版サイトの運営は著作権法違反にあたるが摘発は難しい。
接続元情報の開示請求が困難な海外サーバーが使われていることが多いためだ。
運営者のみならず利用者にも罰則がある。
2021年の著作権法改正により、海賊版サイトのコンテンツを「何度も継続的にダウンロード(保存)」していると、2年以下の懲役や200万円以下の罰金が科されるようになった。
もっとも、ダウンロードせずに視聴するだけであれば違法行為にはあたらない。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。