通貨スワップとは、2国間で通貨を交換する契約のこと。
自国で通貨危機が起きた際、自国通貨と引き換えに相手国の通貨をあらかじめ定めたレートで融通してもらうことで、自国通貨の価値が暴落していたとしても経済危機を回避することができる。
6月29日、日本と韓国は最大100億ドル(約1.4兆円)のスワップ協定を結ぶことで合意した。
アジアにおける通貨スワップの始まりは、1997年に起きたアジア通貨危機だ。
米国の機関投資家が大量の通貨の空売りを行ったことで、タイをはじめとするアジア各国で急激に為替レートが暴落。
タイ、インドネシア、韓国などが経済に大きな打撃を受け、日本でも融資の焦げ付きが続発した。
そこで東アジア諸国は金融協力に向けて議論を重ね、諸国間でスワップ協定が結ばれるようになった経緯がある。
また今回の日韓スワップ協定の再開は、経済協力というよりは両国の関係改善の証という側面も強い。
歴史問題などで関係悪化が進んだ2015年に韓国がそれまでのスワップ協定を打ち切り、その後は日本が対抗するように再開協議を凍結していた。
韓国の尹錫悦政権が融和的な姿勢を打ち出していること、日本は自衛隊機へのレーザー照射問題を〝手打ち〟にすることで、8年ぶりの再開と相成った。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。