防衛関係費
防衛関係費とは、日本の国家予算のうち防衛力の整備に充てる経費のこと。
政府は北朝鮮や中国を念頭に有事のリスクが高まっているとして防衛力を抜本的に強化する方針を掲げており、防衛関係費の大幅な増額を計画している。
防衛関係費は第二次安倍政権の発足以降10年連続で増え続け、2022年度当初予算は5兆1788億円と過去最大に達した。
使い道として最も多いのは自衛隊員の給与や退職金、食費などに充てる「人件・食糧費」の42.0%となっており、隊員の教育訓練や艦船・航空機の燃料、設備の修繕にかかる「維持費」が24.7%で続く。そのほか、新たな戦闘機や装備品を仕入れるための「装備品購入費」(15.8%)、基地のある自治体を支援する「基地対策費」(9.1%)などがある。
政府は27年度までにNATO諸国の国防予算の対GDP比目標(2%以上)を念頭に防衛関係費を増やすとしている。
21年度の対GDP比は1.07%であり、目標達成にはこれまでの2倍近い財源が必要だ。
新たな財源として、23年度与党税制改正大綱では法人税・所得税・たばこ税の3税の増税が盛り込まれた。
さらに現在は、建設国債1.6兆円の発行も検討されている。
ただ戦後の日本には、軍事費膨張が数多の戦禍を招いた反省から、巨額の財政赤字を公債で賄う一方で防衛関係費への充当は控えてきた歴史がある。
この記事は「税理士新聞」から許可を頂き転載しています。
相模原市の税理士 冨岡弘文税理士事務所