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「デジタルツイン」 押さえておきたいIT用語

デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実世界と同じ状況をコンピューター上にデータで再現すること。現実とデジタルの双子(ツイン)だ。

この概念の歴史は意外にも古く、1960年代から物理分野で使われてきた。
2010年に NASAの主任技術者のジョン・ヴィッカーズ氏が「デジタルツイン」として用語を発表したとされる。

デジタルツインの主な用途はシミュレーションだ。
現実空間では実現不可能なものや、模型の製作時間やコストがかかるものもデジタル化でシミュレーションが可能となった。
近年、AI(人工知能)、VR(仮想現実)、IoT(従来はインターネットに接続されていなかった家電などの機器)といった技術が飛躍的に向上したことで、現実の再現データがよりリアルになっている。
例えばIoTで冷蔵庫に接続することで、欠陥の有無などを現物に触ることなくAIが分析しVR上で再現ができる。
従来なら一回ごとに使い捨てとなっていた模型も、デジタルツインであれば複数回の実験が可能となる。

時間やコストの削減に直接つながることに加え、問題点を製品の発売前に様々な視点から分析し改善できるため、デジタルツインの世界市場規模は急激に拡大している。
昨年86億米ドルだった市場評価額は、2030年までに1376億7000米ドルに成長すると見込まれている。

なお、メタバースと混同しやすいが、メタバースは仮想空間のみであるのに対し、デジタルツインでは必ず現実とリンクした仮想空間となっている。

 

この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。

相模原市の税理士 冨岡弘文税理士事務所

 

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