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「海底ケーブル」 押さえておきたいIT用語

海底ケーブル

海底ケーブルとは、大陸間や島々の通信環境を繋ぐために海底に敷設された通信ケーブルのことを指す。
国際的なインターネットの高速・大容量の通信サービスを実現するうえで、衛星やマイクロ波、Wi-Fiといった無線通信を利用しているのは全体の1%程度に過ぎず、ほとんどは海底ケーブルによる有線の情報伝達となっている。

3月に開催された欧州電子通信担当大臣会合では、ウクライナ侵攻を続けるロシアが経済制裁に反発して海底ケーブルを破壊する懸念があると指摘された。
ロシア船による海底ケーブルの損壊は過去にも取り沙汰されており、2017年には国際金融システムに一時的な停電が発生した事例もあるという。

海底ケーブルの損壊が及ぼす影響は大きい。
1月に海底火山の大規模噴火があったトンガでは、噴火の影響で切断された海底ケーブルの復旧に5週間かかった。
修復されるまでの間は人工衛星による通信を代用していたものの、高速通信サービスは利用できず、現地の被災状況が伝えられない状況が続いた。

大陸同士を結ぶため、最長で1万キロメートルを超えるケースもあるなど伝送距離は極めて長い。
太平洋を横断し日本と米国を結ぶ海底ケーブルは約9000キロメートルに及ぶ。
世界初の海底ケーブルは1850年代にイギリス・フランス間を結ぶドーバー海峡に敷設されたものとされている。

※この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。

税理士 冨岡弘文

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