インボイス制度の激変緩和措置
インボイス制度の激変緩和措置とは、今年10月にスタートする消費税のインボイス制度で負担増となる免税事業者や小規模事業者を対象とする救済措置のこと。
インボイス制度をきっかけに免税事業者が淘汰されると懸念する声が相次いだことを受けて導入が決まった。2023年度税制改正大綱に盛り込まれ、衆参両院の審議を経て3月に成立した。
激変緩和措置の内容は大きく分けて2つある。
1つ目は「納税額の軽減措置」だ。
インボイス制度対応のために免税事業者から課税事業者に転換した事業者は、制度開始から2026年9月までの3年間は8割軽減できる。
また、同年10月から29年9月までの3年間は納税額を5割減らせる。
2つ目は「事務負担の軽減措置」だ。
売上高が一定の規模に満たない事業者は、インボイスの保存がなくても、仕入額が1万円未満であれば仕入税額控除を適用できる。
29年9月までの6年間の取引が対象だ。
あくまで時限的な措置となっているため「将来的に免税事業者が取引されるリスクは解消されていない」「制度導入のための呼び水に過ぎない」と税理士団体からは批判の声も上がっている。
また、特例の新設によりかえって事務処理が煩雑化し、新たな税賠リスクを生むとの指摘もある。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。