サラリーマンだけじゃない源泉徴収、意外な間違いに注意
給料から所得税が天引きされて手取りが減ってるのは誰もがご存知。
源泉徴収制度とは、給与や利子、配当、税理士報酬などを支払う者が、所定の方法により受け取る側の所得税額を計算して、支払金額からこれを差し引き、国に納付するという制度です。
現在は東日本大震災における復興特別所得税も併せて徴収納付されています。
2013年から2037年までの25年間続きます。
源泉徴収の対象となるものは、給与・賞与、退職金、公的年金、報酬、生命保険契約等に基づく年金、利子、配当など多岐に亘ります。
これらで、税理士でも判断に気を付けないといけないと思うのが「報酬」です。
源泉徴収をすべき報酬の支払いについて、源泉徴収をしていないという間違いがある一方で、本来は対象外の報酬について源泉徴収をしてしまっているというケースもあるようです。
源泉徴収の対象となる「報酬」について整理すると、士業の個人事業者、芸能関係の個人事業者、医業の個人事業者、ホステス等接待業の個人事業者に対する支払いは、
たとえ名目が「謝礼」「材料費」等といった「報酬」以外の名目であっても、実態として報酬であれば源泉徴収の対象となります。
反対に、これらの者以外の個人事業者への支払いについては、源泉徴収をする必要は無い訳です。
ところで、士業であっても、行政書士に対する報酬は、源泉徴収の対象外となっています。
士業について、もう一つ注意すべきは、源泉徴収は所得税の源泉徴収であるという点。
士業も近年は「税理士法人」「司法書士法人」「弁護士法人」と言った、法人を作るケースが増えています。
これら法人である「士業者」に対して支払う報酬・料金については源泉徴収の必要はありません。
中には、法人化をしたにもかかわらず従来通り源泉徴収をしている事務所もあるようなので確認が必要です。(まさか、税理士法人には無いですが)
最後に、士業の仕事に関連した交通費や宿泊費について、報酬を支払う者から直接に交通機関やホテルに支払う場合には当然ながら源泉徴収は必要ありません。
税理士 冨岡弘文