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配偶者控除

配偶者控除とは、配偶者の収入が一定額以下のときに、もう一方の配偶者が適用できる所得控除のこと。
例えば妻の給与収入が103万円以下であれば、夫の所得から原則として38万円を控除できる。

配偶者控除は1961年度税制改正で導入された。
導入の背景には、家族に対する給与を経費計上可能な共働きの自営業世帯と、夫に給与所得が集中する専業主婦世帯の公平性の確保などが挙げられている。
一方で課題として、パートで働く妻の給与収入が103万円を超えると配偶者控除が受けられず、かえって税引き後の手取り収入が減る「103万円の壁」が問題視されていた。

女性の就労促進の妨げになる103万円の壁の撤廃のため、1988年には「配偶者特別控除」が新設された。
配偶者特別控除では、配偶者の給与収入が103万円を超えても所得控除が受けられるようになり、控除額は夫婦それぞれの収入に応じて段階的に減らされる仕組みとなっている。

2012年に発足した第2次安倍内閣以降は、依然として配偶者控除が女性の就労促進の妨げになっているとして、政府税制調査会などで廃止を含めた抜本的な見直しが検討されている。
6月14日に閣議決定した2022年版男女共同参画白書では、「さまざまな政策や制度が戦後の高度成長期のままとなっている」として、配偶者控除の見直しを進めていく方針が改めて示された。
世帯単位ではなく個人単位での制度設計にすべきだとしている。

 

※この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。

税理士 冨岡弘文

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