事業継続計画
事業継続計画(BCP)とは、自然災害やテロ攻撃といった緊急事態の経営リスクに備えて、企業があらかじめ対応方法や手順を取り決めておく計画のこと。策定・運用のために取り組むべき項目として中小企業庁は、①優先して継続・復旧すべき中核事業を特定する、②緊急時における中核事業の目標復旧時間を定めておく、③緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客とあらかじめ協議しておく、④事業拠点や生産設備、仕入品調達等の代替策を用意しておく、⑤全ての従業員と事業継続についてコミュニケーションを図っておく―の5点を挙げている。運用体制の確立により、緊急時の事業の復旧を早めることに加え、取引先や市場からの信頼を得て事業拡大にもつながるとしている。
日本政策投資銀行によると、国内でBCP策定への機運が高まったのは2001年9月の米同時多発テロがきっかけだといい、その後も東日本大震災などを経て策定率は上昇したと見られているが、帝国データバンクの調べでは21年時点の策定率は17.6%にとどまっている。
コロナ禍では策定済みの企業においても自然災害を前提とした既存のBCPが通用せず、見直しの必要性が浮き彫りになった。総務専門誌「月刊総務」によるとBCPが「十分に機能した」と答えた企業の割合は3割程度にとどまっている。
税理士新聞から許可を頂いて転載しています