◆「マイナポータルには申し込んでいない」(11月4日、菅義偉首相)――衆院予算委員会の答弁で。自身が看板政策として掲げるデジタル化の柱であるマイナンバー制度について、「マイナンバーカードは持っている。暗証番号も持っているが、マイナポータルには申し込んでいない」と明かした。また来年3月に始まる予定の保険証との一体化の申込みも始まっているが、「手続きをまだ行っていない」と答えた。質問に立った立憲民主党の後藤祐一議員は、マイナポータルを利用するために必要な手続きが煩雑であることを指摘した上で、「国民に難しいことをお願いしているのだから、ぜひ総理もやってみていただきたい」と促した。
◆「給付金で学生や低所得者に大きな影響があったのは事実」(11月4日、麻生太郎財務相)――衆院予算委員会の答弁で。国民全員に1人当たり10万円を給付する特別定額給付金について、「学生や低所得者に大きな影響があったのは事実」と述べ、生活支援に一定の効果があったことを認めた。二週間前に自身の政治資金パーティーで「現金がなくなって大変だというから支給したのにとんでもない、その分貯金が増えた。お金に困っている人の数はゼロではないが、少ない」と発言したことについて追及され、弁解した。ただしマクロでの家計貯蓄は増えたと強調し、一律給付でないほうが効果的だとする意見は改めなかった。
◆「利益を出して税金を納めるのが社会貢献だ」(11月6日、トヨタ自動車の豊田章男社長)――中間決算発表のオンライン会見で。2021年3月期の連結業績見直しを上方修正し、純利益を7300億円から1兆4200億円に引き上げた。コロナ禍による販売落ち込みからの回復が想定以上だったことを理由に挙げ、「車を作ることで工場が動き、地域社会が動き、多くの人の生活を取り戻す一助になる」と熱を込めた。その上で「利益を出して税金を納めるのが社会貢献だ」と述べ、今後も収益拡大を追求していく姿勢を示した。なお主な国内上場企業の19年度3月期決算で、トヨタ自動車はトップの約6600億円を納税している。一方でトヨタは今年7月に下請け業者に値下げ要請を行っていて、負担を下請けに押し付けているとの指摘もある。
~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~
第1681号(11月5日号)