半導体とは、導体と絶縁体の中間にある物質のこと。
電気を通す物質と電気を通さない物質の間で、電気量の調節を行う。
導体の代表は金属、絶縁体の代表はシリコンで、現在の半導体のほとんどがシリコンに電気的な性質を帯びた不純物等を添加して作られる。
半導体は電流を制御し、流れを一方通行にしたり、オン・オフを切り替えたりでき、情報の記憶・数値演算などの情報処理機能が電子機器の頭脳として活用されている。
たとえば、スマートフォン、パソコン、車、ATMに至るまで生活に欠かせないほぼ全ての電気機器へ組み込まれているのが現状だ。
しかし今、半導体不足が世界的に深刻な問題となっている。
コロナ感染症の蔓延、ウクライナ危機での物資の滞り、生産力の偏りが原因とされる。
半導体といえば、シリコンを使ったメーカーが集まるシリコンバレーが有名だが、実際には台湾、韓国、中国、日本などのアジアで7割以上の生産量をシェアしている。
日本の半導体産業は、1990年後半以降の長期不況で国内投資が十分できず、台湾や韓国に抜かれたが、再び日本の供給力が期待されている。
デジタル社会の中で半導体が国際競争の要となり、政府は昨年末に次世代半導体などの開発へ1.3兆円の投資を決めた。
与党税制改正大綱からも半導体事業を対象に法人税が優遇される「戦略分野国内生産促進税制」の新設が見込まれ、国際的需要での経済活性化を目指す。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。