米国で政権が交代する際、新大統領が就任するまでの政権移行期間に、前政権から業務を引き継ぎ、次期政権の政策・体制を構築する組織。
次期大統領・副大統領を中心に、官民から人材を集めて新政権の政策方針を策定・発表する。
また、主要な省庁の業務を評価して長官などの高官人選を行う。
今回の米大統領選は共和党のドナルド・トランプ氏が勝利。
この結果が判明してから翌年1月の新大統領就任式までの政権移行期間に、現職のバイデン政権から業務を引き継ぐ。
同時に主要省庁の人事を調整する。
各省庁のトップや次官、高官を含めた人選は数千人におよぶ。
高官人事にあたっては官民から専門家・有識者・実務経験者を幅広く集め、大統領・上下両院の選挙戦中に掲げた公約をどう政策に落とし込むかについても協議する。
米大統領選では投開票の直後に敗者側が「敗北宣言」するのが慣例となっており、この宣言を受けて政権移行の開始に関わる権限を持つ米連邦政府一般調達局(GSA)が勝者を認定し、引き継ぎが正式にスタートする。
政権移行期に次期大統領らは国務省や国防総省などから最新の機密情報を入手できる。
2020年の大統領選では、当時現職のトランプ氏が敗北を認めず、政権移行のプロセスが遅れた経緯がある。
今回、バイデン氏やハリス副大統領は「平和的な政権移行」に協力する姿勢を示している。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。