二重課税とは、一般に同一の物やサービスに対して2つ以上の税金がかかっている状態をいう。
二重課税について最も多く指摘されているのはガソリンについてだろう。
1リットルあたりの小売価格を仮に180円とした場合、ガソリン自体の価格は107.04円、ガソリン税(本則税率)28.7円、ガソリン税(暫定税率)25.1円、石油石炭税+温暖化対策税2.8円、消費税16.36円となり、課税合計額は72.96円と全体の約4割にも上る。
他に二重課税と批判されているのはたばこと酒だ。
たばこの税負担率は担税物品の中で最も高水準である。
1箱580円の「メビウス」では、国タバコ税136.04円、地方たばこ税152.44円、タバコ特別税16.4円、それに消費税が52.72円となり、580円の内357.6円が税金という計算になる。
一方、酒で二重課税とされるのは酒税と消費税だ。
なお、酒税は酒の種類ごとに1キロリットルあたりの税率が異なり、ウイスキーやスピリッツと呼ばれる蒸留酒は醸造酒に比べて高税率で、さらにアルコール度数が1度上がるたびに1万円が加算されていく仕組みだ。
二重課税の中でもガソリンは連日価格が上昇していることから重税感に対する不満の声は日増しに大きくなっている。
酒やたばこといった嗜好品と比べ車は生活必需品という人が多いため、今後不満は更に高まるとみられている。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。