利根川・荒川水系でのダム建設により著しく影響を受ける地域と地域住民を支援する目的で1976年度に設立された。
所管は国土交通省、基金を保有する設置法人は公益財団法人利根川・荒川水源地域対策基金。
初年度に1億円の交付を受けた後、70年代に3回、90年代に5回の交付を受けた。
2023年度の基金残高は約10億3千万円で、運用益から得た収入は約1400万円。
約1300万円を事務管理費、100万円をイベントなどの啓蒙・交流事業費として支出している。
基金の終了予定時期は27年3月末としているが、成果によっては延長の可能性もある。
外部有識者からは、「基金残高と比較して交付実績が著しく少なく、支出の大半は事務管理費であり、さらに同種の基金より事務管理費が高い」と指摘されている。
このため基金の必要性、適正な基金残高、費用の適正性の再検証を提案されている。
利根川・荒川が流れる1都5県が半額を負担して財団を設立。
国が残りの半額を財団の基本基金として助成するかたちで造成している。
財産の運用収益で運営される〝運用型〟の基金であるため、「利根川・荒川水系でのダム建設により著しく影響を受ける地域と地域住民」に対して直接支出・交付するかたちでの事業はなく、あくまでも運用益のうち約100万円をイベントなどに支出しているに過ぎない。
このため基金残高が大きく減ることはなく、運用益の大半を事務管理費として支出することがほぼ唯一の目的となったまま、50年近く存続している。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。