国会議員の政治的責任を審査するために衆参両院に設置された機関。
自民党政治資金パーティーの裏金事件を受けて2月29日に参議院で、3月1日には衆議院で開催された。
設置のきっかけは1980年代のロッキード事件で、田中角栄元首相が有罪判決を受け、議員辞職を巡って国会がまとまらず審査が急務となったことによる。
規定では、対象議員に、「政治的道義的に責任があるかどうか」を審査するとされ、今回の裏金問題のように検察の捜査で立件されなかった場合でも政倫審の対象になることがある。
つまり法律上の罪に問われていなくても、政治家としての責任を追及できる制度だ。
委員は衆議院が25名、参議院では15名が与野党の国会議員から選ばれる。
ただ、これまで参議院で開かれた例はなかった。
1992年に審査会規定が改定され、不当な疑惑を受けたとする議員本人の申し出でも開くことができるようになっている。
審査対象議員本人の申し出以外には、政倫審委員の3分の1以上が申し立て、委員の過半数が賛成すれば開催される。
ただ、申し立てても審査対象の議員は出席を拒否することが許されている。
政倫審は原則的には非公開とされているが、過去9回の開催で非公開だったのは1度だけだった。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。