共有名義で土地を相続し、その後、兄弟間で共有状態を解消したいという相談は多いです。
昨日は共有土地を「分割」するケースを話題にしました。
では、AとBという2つの土地をそれぞれ兄弟間で1:1で共有している場合はどうでしょう?
共有状態では売ることはもちろん、そこに自分の家を建てるのも相手の同意が必要です。
そして自分が死んで、家族が相続したら。
相手方に同じことが起こったら。
「共有状態は不便だし、将来はもっと不便になるので解消したい。私のAの持ち分を差し上げますから、あなたのBの持ち分を私に下さい」という取引は有益でしょう。
いわゆる交換です。
この場合、等価交換なら金銭のやり取りはないですね。
しかしながら、税務上は「交換」も譲渡として取り扱われます。
交換で得た部分の時価が譲渡収入。
差し出した部分が相続で取得したのであれば、先祖が買ってきた金額が取得費ですから、値上がり益に課税ということになります。
但し、所得税に特例があり、一定の要件を満たすなら課税を免れることが出来ます。
特例を利用する要件とは
①互いに1年以上所有していた土地であること
②交換を目的として取得した土地でないこと
③交換後も元の用途と同じ使い方をすること
④交換譲渡資産と交換手t区資産の価額の差が2割を超えないこと
などです。
最後に私の、ヒヤッとした経験を。
兄弟間で、この交換をしたのですが、お一人が海外に住んでいました。
海外の人に売却をする場合には源泉税を預かって国に納めるルールがあります。
申告の段になって気づき、説明不足で焦りました。
土地の評価に気を取られていました。
お金が登場しないと言っていたので数百万円を用意してと、伝えなければならない?
結局、1億円以下の取引は対象外なのでセーフでしたが、やばかったです。
ひとりで焦って、すぐにホッとする。
専門家ってしんどいです(*^^*)