第1697号(2021年4月15号)
◆「加計学園の獣医学部は税金の無駄遣いだ」(3月22日、立憲民主党の杉尾秀哉参院議員)――参院内閣委員会で。学校法人加計学園が経営する岡山理科大学について、新型コロナウイルス対策に関する貢献度が低いと指摘し、「180億円以上の巨額予算が使われているが、税金の無駄遣いじゃないか」と与党側を皮肉った。税制面の優遇などを受けられる「国家戦略特区」の指定を受けた愛媛県今治市で、岡山理科大は2017年に獣医学部の新設事業者に認定されている。認可に当たっては加計学園の加計孝太郎理事長と安倍晋三前首相が長年の友人関係にあったことなどから、特別の便宜が図られたとの疑惑が浮上していた。杉尾氏は認可が下りなかった京都産業大学を引き合いに出し、「京産大ではPCR検査センターを開設してどんどん検査している」と批判した。
◆「(暴力団関係者宅を)市が買い取ることで住民の安全を確保したい」(3月22日、稲村和美兵庫県尼崎市長)――記者会見で。市内にある暴力団関係者の住宅を買収すると発表し、「市が一度買い取ってから売却することで、民間の流通に乗せていきたい」と話した。対象となるのは特定抗争指定暴力団の山口組系組員の住宅で、持ち主との交渉を経て購入価格は1800万円で合意している。買い取りに至った背景について、暴力団関係者同士で不動産取引が繰り返されることを防ぎ、住民の安全を確保するためと説明した。暴力団対策法などの規制は適用されず、法令遵守上の問題は無いというが、暴力団関係者に税金が流れるとの批判が出ている。
◆「(法人増税で)対中競争に勝つ」(3月31日、バイデン米大統領)――ペンシルバニア州の演説で。8年間で2兆ドル(約220兆円)をコロナ禍後の成長戦略に充てると発言し、「中国に勝つ計画だ」と呼びかけた。「国際的な主導権を争う市場で、米国のイノベーションを加速する」と主張し、1800億ドルを投資して情報関連技術の企業や大学の研究開発を後押しするほか、半導体の供給網強化にも3000億ドルを割く。必要な資金は法人増税で15年をかけて賄うと説明した。トランプ前政権で21%まで下がった連邦法人税率を28%に上げ、多国籍企業の海外収益に対する課税も強化することで「公平な税負担を求める」としている。
~この記事は「税理士新聞」より許可を頂いて転載しています~