クラウドとは外部の事業者がインターネット経由でデータ管理などのサービスを提供する形態である。
クラウドのメリットには、データ管理の負担減やコストダウンなどが挙がる。政府クラウドは、行政機関が保有する住民基本台帳や戸籍、国民年金など20分野の個人情報を含む情報を保管するもので、複数の民間クラウドサービスによって構成されている。
デジタル庁は11月28日、政府クラウドとしては初の国産クラウドとして、大阪市に本社を置く「さくらインターネット」のサービスを採用した。
これまで政府クラウドとして選ばれていたのは、Amazon社が提供する「AWS」やGoogle社が提供する「Google Cloud」など米大手IT企業4社が提供するサービスだけだった。
デジタル庁は政府クラウドの国産導入に向け、9月に選定方式を改定。
1社で満たす必要があったこれまでの選定要件を、他社サービスを利用することで満たすことを認めた。
選定方式の見直しを受け、国内からはソフトバンク社やインターネットイニシアティブなどの企業が政府クラウド採用の選考を受け、今回、さくらインターネットが選ばれた。
2025年末までにすべての選定要件を満たす必要があるといった条件つきだが、政府クラウドの海外企業への依存を解消できる国産クラウドに期待する声は大きい。
河野太郎デジタル相は記者会見で「今回初めて国産のガバメント(政府)クラウドの可能性が出てきた。ぜひ頑張っていただきたい」とコメントしている。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。