第1710号(2021年8月25号)
◆「ワクチン接種促進のため、広報とアプリ開発に10億円を投じる」(8月12日、東京都福祉保健局)――8月の補正予算案で。若年層に新型コロナのワクチン接種を促すことを目的に、事業費として10億円を計上した。そのうち2.5億円はワクチンの接種記録を登録するアプリの開発に充て、接種した人が協賛企業からクーポンなどを得られるようにするという。残りの7.5億円はWEB広告や動画の配信に活用する。都民からは「アプリ開発でまた中抜きか?税金の使い方が間違っている」「その金で病床を拡大しろ」などと批判の声が上がった。
◆「負の所得税を提唱したい」(8月7日、元国務大臣の竹中平蔵氏)――朝日新聞グローブの取材で。コロナ禍で生活に困窮する人がいるなかセーフティーネットをどのように整備していくべきかを問われ、「議論のために提唱するとすれば『負の所得税』という考え方だ」と答えた。負の所得税とは、所得が一定の水準に達しない人に対し、課税対象となる所得の下限との差額に応じて給付金を支給する制度のこと。生活の保障を受けるハードルが下がるなどのメリットがある一方、既存の税法や社会保障制度との調整が難しく制度設計が困難とされる。
◆「税金を使っているのだから五輪の帳簿はしっかり残せ」(8月1日、TBSの松原耕二キャスター)――テレビ番組で。1998年の長野五輪で約9千万円の使途不明金を隠蔽するために招致委員会が会計帳簿を焼却処分したとみられていることに触れ、「税金を使った大会なのだから、のちのち(予算の使途が)検証できるようにすべきだ」と帳簿の保管ルールの是正を求めた。また「組織委は都や民間など寄せ集めの組織。どこが責任を取るかはっきりしない」と運営体制にも言及した。
~この記事は「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています