税金が戻ってくる場合「時効」にも気を付けて
今年も所得税の確定申告業務を沢山承りましたが、大きな建物を建築した際に支払った消費税が、売上を通じて預かった消費税よりも大きいため、数百万円の還付申告となったケースがありました。
大きな設備投資を予定する場合など、消費税の申告に於いては事前の判断が重要なので税理士さんとの情報共有が極めて重要です。
さて、税金の還付金の受け取り方法には銀行振り込みと郵便局で受け取る方法の2通りがあります。
銀行振込みの場合には自動的に口座に振り込まれるが、郵便局で受け取る場合は、税務署が発行する「国庫送金通知書」を郵便局の窓口に持参する必要があります。
税理士事務所に申告を依頼される方は、振り込みによる受取とする場合が殆どだと思いますが、無料相談会場などでは、郵便局に取りに行きますというケースも目にしてきました。
大きな金額を貰い忘れることは無いのでしょうが、つい、申告が済んで安心してしまったり、少ない金額だと面倒に思う人もいるようです。
郵便局で受け取る場合は、国庫金送金通知書の発行の日から1年以内であれば、通知書記載の郵便局で還付金の支払いを受けることが出来ますが、1年を過ぎてしまうと、通知書に記載されている郵便局では支払いを受ける事が出来なくなってしまいます。
その場合には、通知書の発行税務署に免許証などの本人確認資料を持参して、再度、申し出る必要が生じます。
更には、万が一国庫金送金通知書を受けた日から5年を経過してしまった場合には、国税通則法74条の規定により、時効が発生して還付金の支払いを受ける事が出来なくなってしまいます。
《還付金等に係る国に対する請求権は、その請求をすることができる日から5年間行使しないことによって、時効により消滅する(国税通則法74①)》