◆「過度な節税を強調する保険販売は終わらせる」(2月15日、稲垣精二・生命保険協会会長)―定例会見で。支払った保険料が全額損金になり、高額の解約返戻金を受け取れる法人保険について、「過度な節税を強調しすぎるような販売は収束させなければいけない。新しいルールのもとで創意工夫する」と述べ、商品設計や販売方法を見直す方針を示した。同種の保険商品は保障より節税効果が売りになっているとして、国税庁や金融庁が規制強化に乗り出す姿勢を見せていた。損金算入などを制限する新ルールの策定に向けて新規販売を見合わせている保険会社も多く、稲垣会長は「短期的な市場への影響があるが、業界に穴が開くという問題ではない」としつつも、「商品が提供できない期間は短いほうがいい」と国税庁に早期の見直し方針の提示を求めた。
◆「確定申告が必要だという認識がなかった」(2月19日、元宝塚・北翔海莉さんの母親)―脱税の告発を受けて。元宝塚トップスターの北翔海莉さんの私設ファンラクラブの売上を申告しなかったとして、東京国税局はこのほど、北翔さんの母で、ファンクラブを運営する事務所の吉野博子代表を所得税法違反の疑いで告発した。ファンクラブの会員数は約1700人で、年会費やDVDの売り上げなどで年間約1億2100万円の所得があったが、申告をしていなかった。吉野代表は「プールしている資金を申告しなければならないという認識がなかった。税務に無知だった」とコメントし、すでに納税を済ませたという。
◆「マイナンバーと医療情報が紐付けされるというのは誤解」(2月20日、石川広己・日本医師会常任理事)―記者会見で。マイナンバーカードを保険証として使えるようにするという政府の方針を受け、「あたかもマイナンバーそのもので保険証の代用ができるという誤解が一部で広がっている」と懸念を示した。「あくまでもマイナンバーカードのICチップに搭載された情報で保険証の確認をするだけ」と述べ、「今後もマイナンバー自体に既往歴といった医療情報が関連付けられることは決してない」と強調した。政府の改正案では、マイナンバーのポータルサイトから、検診データや薬剤情報を確認できるようにする内容が盛り込まれている。
~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~
第1621号 (3月5日号) より