冨岡会計ブログ(セミナー情報・メディア掲載・税務コラム)

最近の「税」に関するコトバ集

◆「2030年までに消費税を15%まで上げる余地がある」(11月25日、ゲオルギエワIMF専務理事)――記者会見で。高齢社会化に伴う財政負担を賄うためには、「消費税を徐々に引き上げていくことが有用だ」として、2030年までに15%、2050年までにまでに20%へと段階的に引き上げる必要があると主張した。同時に財政健全化のために、現在20%の一律課税となっている金融所得課税について、30%まで段階的に引き上げるよう求めた。ゲオルギエワ氏の発言について、テレビ朝日の番組に出演した第一生命経済研究所の永濱利廣主席エコノミストは「IMF(国際通貨基金)には日本の財務省からも職員が出向していて、政策提言には財務省の意向が色濃く反映している」と指摘した。
◆「どこの国でも財務省や経団連は消費税を上げたい」(11月27日、中谷一馬衆院議員)――経済関係の会合で。2018年に消費税を廃止したマレーシアを視察した経験から、同国の財務省関係者や経済団体の幹部が「消費税撤廃は望ましくない」と主張している現状を報告した。一方で経済が厳しいなかでも個人消費が伸びていることや、労働組合から「税の公正な配分ができていない」と訴えられたことを挙げて、「どの国でも財務省や経団連は消費税を上げたいんだなぁと思った」と総括した。日本の状況については、「消費税率を2%上げるだけでもこれだけ景気が落ち込むのに、どう考えても(さらなる増税は)現実的ではない」と述べ、「長期的展望を示して財政出動したほうがいい」と持論を語った。
◆「国立競技場への課税、非課税の判断は軽々とできるものではない」(11月29日、小池百合子東京都知事)――定例会見で。11月30日に完成した新国立競技場の五輪後の処遇について、「(固定資産税を)課税だ、いや非課税だといったような判断は軽々にできるものではない」と慎重な見方を示した。同競技場は五輪後には民営事業者に運営権を売却する見通しだが、事業者が負う年間約25億円の固定資産税が非課税になるとの報道が一部から出ていた。小池氏は「課税の認定は、事業の目的や内容などを丁寧に聞き取った上での判断になる。今は事業者も運営計画も決まっていない段階」と述べた。

~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~

第1649号(12月15日号)

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