◆「いただいた消費税をすべて還元する」(1月28日、安倍晋三首相)―施政方針演説で。10月に予定される10%への消費税率引き上げについて、「増税分の5分の4を借金返しに充てていた使い道を見直し、2兆円規模を教育無償化などに振り向ける。軽減税率を導入するほか、プレミアム商品券を発行する」と述べ、さらに「思い切ったポイント還元を実施し、自動車や住宅への大幅減税を行う」として、「いただいた消費税をすべて還元する規模の十二分な対策を講じる」と景気対策の充実ぶりを強調した。政権発足から今までを振り返り、「早期にデフレではないという状況を作り、5年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われた」と自賛した。
◆「ゴルフ場利用税は五輪開催国として恥ずべき税制だ」(1月31日、衛藤征士郎衆院議員)―ゴルフ場利用税を廃止する法案の取りまとめに際して。超党派の国家議員連盟として、同税を廃止する法案を今国会へ提出する方針で一致した。「様々なスポーツがあるなかで、ゴルフを狙い撃ちにして発展を阻害するのは五輪開催国として恥ずべき税制ではないか」と強調した。また2000年に「ノーパンしゃぶしゃぶ」などによる過剰な官僚接待が社会問題化したことを受けて施行された国家公務員倫理規定についても、全面禁止となっている国家公務員と利害関係者のゴルフを「費用を自分で負担すれば認められるようにすべき」と見直す法案を提出する。
◆「短期的な損失が年金給付に影響を与えることはない」(2月1日、西村康稔官房副長官)―定例会見で。国民が積み立てた年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、昨年10月~12月期に過去最大となる約15兆円の赤字を出したことについて、「年末にかけての株価や為替の変動で国内外株式の運用状況が特に悪化した」と原因を説明した上で、「年金積立金の運用は長期的な視点で行うもので、評価額の短期的な増減に過度にとらわれるべきではない」と述べた。2014年10月に運用に占める株式の割合を大幅に増やしたことによって「年金財政上、必要な収益はこれまでの運用で十分確保している」として、「今回の短期的な運用結果が年金給付に影響を与えることはない」と運用方針の継続を強調した。
~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~
第1619号 (2月15日号) より