コロナ禍で閉店に追いやられるお店や、倒産する会社も多いのに、株価は2万円越えが続いています。
お金が余ているからと言いますが、なんかしっくりしない。
雇用不安が言われますし、人口減少も事実なのに、首都圏ではマンションや戸建てが売れている。
学生時代にバブルを目撃した(経験はしていない)モノとしては、その後のバブル崩壊の世の中が忘れられません。会計事務所に就職して、「貸し剥がし」にあった経営者家族と共に悔し涙を流したことが忘れられない。
そしてその後の実務家経験でリーマンショックは、本当にショックでした。
バブル崩壊よりもきつかったと言う経営者は多いです。
私自身も米国の証券投資信託を持ってましたが半額以下になっちゃいました。
悔しかったのは、サブプライムローンなんて言う、ちゃんと学べば明らかにアホな仕組みに無知だったこと。
自らの失敗こそ最高の教材です。
令和3年、コロナ禍、不思議な株価好景気、
あの、リーマンショック背景のサブプライムローン問題ってなんだけ?を再確認します。
さまざまな取引手法を駆使して市場の好不況に対応し、資産の目減りを避け(ヘッジ)利益を追求するのがヘッジファンドです。
ヘッジファンドは、株や債券などの金融商品を活用して資金運用をするのだけれど、低所得者に融資する住宅ローンであるサブプライム・ローンの一部が焦げ付き、そのためにサブプライム・ローンを元手に発行されていた証券が売れなくなって、この種の証券を買い込んでいたヘッジファンドが音を上げたと言うのがサブプライム問題だと言われます。
ここで問題は、なぜ返済が出来なくなるような低所得者に、他のローンよりも3割以上高い金利を付けた住宅ローンを組ませたのか?そもそも、そんな危険な住宅ローンがなぜ許可されていたのでしょうか?
アメリカでは2001年にITバブルが弾けたのち、住宅ブームが加速しました。2001年から2002年までにアメリカ国民は3兆ドルを株価の下落で失いましたが、この間に住宅価格の高騰で得た資産は2.5兆ドルと言われています。結果的には、株価の下落で失った資産のかなりの部分が住宅資産の膨張に移転して消費の落ち込みが支えられたのです。
この間、FRB(米連邦準備制度理事会)は金利を急速に下げ、市場に資金をどんどん流し込んだため、高利の住宅ローンを組むための資金には不自由しなかったわけです。
また、ITバブル崩壊後、住宅ローンに対して保証を与え、住宅ローンの証券化を手伝う機関(ファニーメイ、フレディマック)や、ジニーメイという住宅都市開発省の一部署が発行元となる住宅ローン担保証券を大量に発行するだけではなく、金融工学によって生み出されたデリバティブ(金融派生商品)を積極的に導入することで安易な住宅ローンを可能にしてブームを積極的に加速してきたのです。
「金融工学」とか言われると難しい気がするけど、常識的に考えたら破綻するのは当たり前。自分の大事なお金にまつわる「本質」に目を向けなかったことへの教訓です。
「目標とすべきは潤沢な預金残高」が還暦を迎えた私の実感ですが、今の世の中に「サブプライムもどき」が無いのか、気になって仕方がありません。