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Welcome to 東京!オリンピック小ばなし

五輪ボランティアは「タダ働き」か?

 世界中からやってくる選手やスタッフ、観客らをもてなすために、ホスト国の人間が無償で大会運営を手伝う「五輪ボランティア」は、1948年ロンドン大会から始まった。
当時の五輪は完全なるアマチュアの祭典でスポンサーもいなかったため、世界大戦後初となる夏季大会を成功させようという英国民らが立ち上がった結果だった。

 それから月日が経ち、プロの参加とともに五輪は商業化したが、ボランティアはなくなっていない。
それどころか2020年東京大会では過去最大11万人のボランティアを募り、さらに中高生にも特別枠を設けて参加を募るという。「若年層がボランティア体験をすることは教育的価値が高い」という組織委の言い分はもっともだが、「各方面から要望が多かった」というその背景にあるのは、際限なく増大する開催費用の穴埋めに他ならない。

 高騰する放映権料にグッズ使用料、訪日客らが巻き起こすインバウンド需要と、五輪はとてつもない利益を生む〝金の卵〟だ。にもかかわらず運営をボランティアの奉仕精神にすがるという現状はいびつ極まりない。
ボランティアの元々の意味は「志願者」であって、決して「無償」ではない。

     ~この記事は『税理士新聞』より許可を頂いて転載しています~

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