トリガー条項とは、ガソリンの価格が一定期間高止まりしたときに、ガソリンにかかる税率を引き下げる規定のこと。
2010年に導入されたが、現在に至るまで発動されたことはない。
もともとガソリン税(揮発油税と地方揮発油税)は、1L当たり28.7円が本則税率だが、道路整備の財源不足に対応することを目的に1974年、25.1円の「暫定税率」を上乗せすることが決まった。
2009年の衆院選で民主党は、この暫定税率の廃止をマニフェストに掲げて勝利するが、与党となってから財源不足に対応するために暫定税率の見直しを凍結。
しかしマニフェスト違反が世間から猛批判を浴びたため、「ガソリン価格が3カ月連続で160円を超えたときには暫定税率分の25.1円を停止する」とのトリガー条項を定めた。
なお解除条件は「ガソリン価格が3カ月連続で130円を下回ったとき」とされている。
しかし翌年、東日本大震災が発生したことに伴い、政府は復興財源の確保を理由にトリガー条項を凍結。
復興状況に応じて解除するとしたものの、それから10年以上が経った今も凍結されたままとなっている。
ガソリン価格の高騰を受けてトリガー条項の解除を求める声は高まるばかりだが、政府はあくまで補助金で対応し、トリガー条項には触れない姿勢を堅持している。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。