以下のような相続税の申告を他の相続人と別々でしたいといったケースはあります。
夫が亡くなりました。
私達には子供が無く、夫の両親も他界しているので、夫の兄弟が私と共に相続人です。
兄弟は遠方に住んでいるので、相続税の申告の打ち合わせも難しく、
遺産分割協議が整ったら、それぞれが別々に申告したいと思うのですが…
相続税の申告では、一つの申告書に相続人全員が連名で申告をするのが一般的です。
しかし、相続人全員で申告しないといけないと言う訳ではありません。
法律上は、相続人が個々に申告するのが原則となっています。
ここで注意すべきは、相続人の住所地ではなく、それを亡くなった方(被相続人)の住所地の所轄税務署に提出するということです。
たとえ相続人が何人であっても、提出先は一つであるため、通常は相続人が共同で申告書を作成し提出します。
しかし、法律上は、相続人それぞれが納税義務者であり、個々の申告をするというのが原則です。
それぞれが、申告をする場合に問題なのは、各自が別々に申告書を作成すると、記載されている遺産の内容や金額が相続人ごとに異なってしまう恐れがあることです。
受け取った税務署としては、どれが正しいのか困ってしまい、確認するためには税務調査を行わざるを得ないのでしょうね。
私自身、それぞれの相続人が、別々の税理士に依頼するというケースもたまに経験します。
理由は、遠隔地だったり、全く交流がなかったり、更には遺産分割で紛糾したりというケースです。
報酬の負担も総額では増えますし、税理士同士でのすり合わせにも気を使います。
遺産分割が整わず、致し方ないという場合もありましょうが、できれば共同で提出することをお勧めします。