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最近の「税」に関するコトバ集

第1699号(2021年5月5号)最近の税に関するコトバ集

◆「(時短協力金は)国民の税なので、虚偽の申請で詐取なんて考えないでほしい」(4月22日、松井一郎大阪市長)――記者会見で。コロナ禍対策のために飲食店に協力を要請している「営業時間短縮協力金」について、不正受給が疑われる申請が相次いでいると指摘し、「現場検査に時間がかかるとまじめに協力して頂いている店舗への支給が遅れる。詐取なんて考えないで頂きたい」と話した。昨年12月16日から今年1月30日までに大阪市内で2万9000件の申請があったなかで、不正が疑われる件数は約420件に上っているという。同一店舗による二重の申し込みや対象外店舗からの申請などが主な事例だ。松井氏は「(時短協力金の原資は)国民の税なので、審査を緩めるわけにはいかない。徹底的に検証し、不正がわかれば警察に捜査を依頼する」と話した。
◆「中小企業の課題が浮き彫りになった」(4月20日、梶山弘志経産相)――閣議後の会見で。事業転換に取り組む事業者に最大1億円を補助する「事業再構築補助金」を創設した背景には、コロナ禍で「中小企業の課題が浮き彫りになった」ことがあると話した。デジタル化などに遅れを取り、既存の業態の維持が難しくなった事業者の利用を促すとしたうえで、「中小企業は時代に合わせて転換していかなければならない」と指摘している。事業再構築補助金の公募は、年内に複数回実施される見込みだ。
◆「(減資には)税金の優遇という狙いも二次的にはある」(4月20日、井筒屋の影山英雄社長)――記者会見で。東証1部上場の百貨店・井筒屋が、225億円に上る累積損失の解消に充てるため、7月をめどに資本金を現在の105億円から1億円に減らすと発表した。財務基盤の健全化が最大の目的としながらも、資本金1億円以下の企業が税法上の中小企業とみなされることによる「税金の優遇という狙いも二次的にはある」と説明している。かつては節税狙いの減資は世間の激しい批判に晒され、2015年には経営再建中だったシャープが税法上の中小企業成りを断念した。しかし、コロナ禍による経営難を理由に減資に踏み切る大手企業が目立つ。旅行大手のJTBや航空のスカイマーク、全国紙の毎日新聞などが、中小企業の仲間入りを果たしている。

 

~この記事は「税理士新聞」より許可を頂いて転載しています~

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