冨岡会計ブログ(セミナー情報・メディア掲載・税務コラム)

最近の「税」に関するコトバ集

◆「税金の使い道に意見するのは納税者の権利であり、自己防衛」(4月10日、作家の島田雅彦さん)――自身のツイッターで。「戦時中、『国民は黙々と事態に対処した』わけではなく、文句をいう人を非国民扱いしたのです。『文句をいっても何も変わらない』、『黙って協力すればいい』という分別ある態度も結局は『いい人ぶって』悪政に加担することに等しい」と投稿し、第二次世界大戦下の状況を引き合いに出して、現在のような非常時こそ、税の使途に厳しく目を向けるべきと指摘した。その上で、「無意味な税金の使い方を意図的にやっている施政者は、利権誘導は善、人助けは悪だと思っているに違いない」と国内政治の状況を皮肉った。

◆「消費税を引き下げることは考えていない」(4月12日、麻生太郎財務相)――決算行政監視委員会の答弁で。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策として消費税減税の可能性はあるかを問われ、「去年、消費税率を引き上げたが、全世代型の社会保障に大きく転換しないと、少子高齢化というこれからの日本の社会では、なかなか対応できないのははっきりしている」と述べ、「今の段階で消費税を引き下げることは考えていない」と言い切った。財政収支の再建目標を崩さないことも改めて強調し、「借金を返していくという姿勢がなければ、マーケットで途端に日本の国債が売りを浴びせられかねない。マーケットをよく見ながら、(目標を見直すかを)考えていかなくてはならない」と理由を語った。

◆「現金給付は電子マネーでの給付が望ましい」(4月16日、櫻田謙悟・経済同友会代表幹事)――定例会見で。政府が新型コロナウイルス対策として国民1人に10万円を給付する案の検討に入ったことについて、「ほぼ条件を付けないで給付することは、危機管理にスピードが必要なことを考えれば、いいことだ」と評価した。ただし、同時に「給付は、電子マネーでの給付が望ましい」と注文を付け、その理由として、「現金給付ならば貯蓄に回る可能性があるが、電子マネーなら消費力を維持するのにつながる」と述べ、新型コロナウイルスによって生活が苦しくなった人の救済より、経済対策としての効果に期待する本音を隠さなかった。

~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~

第1663号(5月5日号)

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