冨岡会計ブログ(セミナー情報・メディア掲載・税務コラム)

最近の「税」に関するコトバ集

◆「イベント自粛の損失を税金で補償することは難しい」(3月28日、安倍晋三首相)――記者会見で。文化、スポーツなどのイベント自粛について、「文化、芸術、スポーツは大変重要であり、この灯が消えてしまっては、もう一度それを復活させるのは大変だということは重々承知している」としながらも、「損失を補てんする形で、税金で補償することはなかなか難しい」と補償に否定的な考えを示した。重ねて「困難を抱えた方々に対する支援としては、無利子・無担保の融資というものはあるのですが、やっぱり借りても大変だという話もうかがっているので、給付金についても考えていきたい」と述べた。ただし会見の2日後に政府がイベント業者に示した救済案は、チケットの払い戻しを求めなかった人に寄付金控除を適用するというもので、実質的にチケット購入者に損失の肩代わりをさせるという内容だった。

◆「恐慌を食い止めるためには消費減税は欠かせない」(3月30日、安藤裕衆院議員)――消費減税を求める緊急声明の発表会見で。食料品などに限定している8%の軽減税率を当面のあいだ0%に引き下げ、全品目に適用する案を示した。「新型コロナ以前に(消費増税で)壊れかけている日本経済を立て直すために消費減税が必要だ」と訴え、「消費性向が高い低所得者に特に恩恵があり、政策効果も高い」と経済対策としての有効性も強調した。減税に伴う代替財源については「国債発行で行う。デフレを脱却すれば法人税収が上がり、日本の財政は健全化していく。デフレ状態が続くうちは消費税率を大胆に引き下げるべきだ」と述べた。

◆「消費増税のためにいろいろな政治的犠牲を払ってきた」(4月3日、甘利明自民党税制調査会長)――税調の会合後の会見で。与党内からも新型コロナウイルス対策としての消費減税を求める声があることに対して、「消費税は社会の安定の土台だ。社会保障を支える財源で、それによって社会保障の安定を図れるし、社会保障が安定することは将来の不安が払しょくされるということ」と減税案を否定した。一方で、「いろいろな政治的犠牲を払いながら今日まで(消費税率の引き上げを)やってきた。消費税を軽々といじるつもりはない」と本音ものぞかせた。

 

 

~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~

第1661号(4月15日号)

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