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相続の基礎知識 その1

日頃から相続税を気にして生活するのはナンセンスですが、税理士として多くの方の相談を承っていると心配されている方が意外に多いと感じます。

一方で、「相続税なんて金持ちだけの税金で、ウチには関係ない!」と決めつけるのも早合点かもしれません。2015年の相続税法の改正以降は、税法上申告義務のある方がかなり増えました。

更に言えば、相続税とは関係なく、どの家でも亡くなった方に資産や負債がある限り、「相続」は行われるわけです。
しかし、相続の仕組みについて理解する機会も少ないもの。
民法の規定を軸に概略を確認したいと思います。

①相続の意義と相続人
相続とは、ある人(被相続人)が死亡した場合に、その人の一身に専属したものを除き、その人に属していた財産上の権利や義務が一定の範囲の親族(相続人)に承継されることです。

相続人となる資格を有するのは、配偶者と一定の血族です。
配偶者は常に相続人となることができ、一定の血族については第一順位、第二順位、第三順位という順位に従って相続が行われることになります。

※この場合の「配偶者」とは戸籍上の配偶者を指し、事実婚など入籍がされていない場合には配偶者として取り扱われないので注意が必要です。近年、行政でも様々な場面で家族の在り方の取り扱いに変化が見られますが、相続に関する民法の適用は厳密です。

第一順位の相続人に該当するのは、被相続人(死亡した人)の子供です。子供であれば実子・養子を問いません。
また、胎児も出生したときには相続人となります。
死亡や相続欠格などにより子供が相続権を失ったときには孫以下の直系卑属(自分より下の世代)が相続人となります。
これを代襲相続と言います。

子・孫といった第一順位の相続人がいないときには、第二順位の相続人、すなわち、被相続人の直系尊属(自分より上の世代)が相続します。この場合、親などの近いものから順次相続人となります。すなわち、先ず父母が相続人となり、父母がいないときには祖父母が相続人となります。

第一順位、第二順位の相続人がいないときには、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。

死亡や相続欠格などにより兄弟姉妹が相続権を失ったときには、兄弟姉妹の子供が代襲相続をしますが、この場合に再代襲は認められていません。

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