◆「税金が払えないからいっそ殺して」(11月18日、愛知県豊田市の女性)――豊田市役所で。市役所のカウンターで刃渡り16.4センチの包丁を取り出したとして、銃刀法違反の疑いで逮捕された。窓口の男性職員に対して「税金が払えないから私を殺して」などと叫んだ。女性は取り調べに対して、「税金を滞納し、このままだと財産の差し押さえをすると言われ、私に死ねと言っているのかと思った」と供述しているという。女性は定職についておらず、アルバイトで生活していた。地方税の滞納整理は全国的に国税に比べて厳しいといわれ、納税者が訴えを起こす例は全国で発生している。 。
◆「税収が想定を下回る可能性は十分にあり得る」(11月19日、麻生太郎財務大臣)――閣議後の会見で。今年度の税収について、当初の見込みだった税収62.5兆円を「大幅に超えていくなんて話ではなくて、それを下回る可能性は十分にあり得るだろうなと思っている」と述べた。米中の貿易摩擦の影響などで企業収益が伸び悩み、今年4月~9月の税収実績は約16兆7千億円で、予算に対する進捗は26.7%だった。与党が10兆円規模の補正予選を組む意向を示していることについて、「今の段階では何とも言えない」と言葉を濁し、不足時の対策についても「現時点では税収額が確定していないので、対応策も分からない」と明言を避けた。
◆「できるだけ税金は使いたくなかったが使わざるを得ない」(11月21日、遠藤彰良・徳島市長)――定例会見で。阿波おどり事業で4億円以上の赤字を抱えて破産した市観光協会について、債務整理に必要な金額に公金を充てる方針を示した。同協会の最大の債権者だった市は3億2743億円の配当金を受け取ったが、金融機関に対する債務の約6300万円分を埋めきれなかった。そのうち約2770万円分については阿波おどり事業を共催していた徳島新聞社が支出するが、残る約3590万円は市税などの税収を充てる。遠藤市長は「できるだけ税金は使わない思いだったが、使わざるを得なかった」と市民に理解を求めた。阿波おどり事業は今年から民間委託されていて、遠藤市長は「大成功だった」との認識を示したが、台風などの影響で収支は大幅な赤字だったという。
~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~
第1648号(12月5日号)