インボイスの2割特例は、小規模事業者向けの税制上の優遇措置。
消費税の免税事業者から課税事業者に転換する際の負担増を緩和するもので、約3年間の時限措置となっている。
今年10月にスタートするインボイス制度では、課税事業者が発行するインボイスがないと消費税の仕入税額控除が受けられない。
そのためインボイスが発行できない免税事業者が取引から排除される可能性があり、取引の減少を防ぐために課税事業者に転換する免税事業者が多く見込まれる。
しかし今まで納税義務のなかった事業者への負担増が事業を圧迫するとの懸念から、最新の税制改正で激変緩和措置として盛り込まれたのが2割特例となる。
2割特例では、実際に預かった消費税額がどれだけかに関係なく、仕入税額控除を「預かり消費税×80%」で計算できる。
納税額が受け取った消費税の2割に収まるため、2割特例と呼ばれる。同特例を適用できるのは、インボイス制度の開始を機に、免税事業者から課税事業者に転換した者に限られ、年間の課税売上高が1千万円以下というハードルも設けられている。
特例はあくまで23年10月1日~26年12月31日(3月決算法人なら27年3月)までの時限措置のため、小規模事業者への根本的な救済策にはならないとの指摘も多い。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。