法人税を払いたくないから、社長の給料を高額にって、節税対策になるのでしょうか?
長いタイトルですが、今どきはどうでしょう?
私の感覚ですと、昭和の時代は法人税を払いのは嫌という方が多かったです。
実際に、社長の給料を上げて翌年の税金を押さえましょうというアドバイスも成立しました。
「赤字と黒字を、行ったり来たりがいい感じ」みたいな。
近年は、所得税が増額傾向にあります。
さらに、社会保険料の負担も増加の一途です。
一方で、企業の国際化が進み、大きな税負担を嫌って企業が海外へ流出することを避ける意図もあってか、法人税の税率は年々下がっています。
その為に、役員給与を多くして会社を赤字にして法人税を押さえる節税策は、以前のように得策とは言えなくなっています。
法人税を可能な限り納付しないで、社長にお金を廻すという作戦だと、結果として会社にお金が残りません。
資金が足りないとオーナー社長が会社に金を貸し付けるという状況が常態化してしまいます。
社長が高齢になったとき、この自社に対する貸付金に対して大きな相続税が発生するという問題も起きてきます。
最近は法人税の税率が引き下げられているため、会社が赤字になるように役員報酬を増額して利益を分配するよりも、会社を黒字にして法人税が課税される方が、トータルの税負担が少なく済むケースが増えています。
尚、個人の財務と税務を考えると、先程示した「社長からの借入金」が社長の相続税対策のネックになるケースは非常に多いです。
また、会社に積み上がった内部留保をオーナー社長に還元するための出口戦力をしっかりと検討したいものとも思います。
相模原の税理士 冨岡弘文