退職した社員が死亡し、遺族に見舞金を払ったら?
会社に貢献してくれた社員が、退職後に亡くなった。
このような場合に、元従業員の遺族に対して見舞金を送ろうと考える会社があるのは尤もだと思います。
退職したからと言って、会社のOBだし、貢献した実績は消えないし、何より残った社員はそのような会社への帰属意識を実感します。
しかし、退職者に対する慶弔規定をまで準備しているものでは無いですね。
税務上の取り扱いは気になるところです。
従業員またはその親族の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って支給される金品に要する費用は、福利厚生費として処理することが認められています。
ここでいう「従業員」には「従業員であった者」も含まれるため、見舞金の額が社会通念上相当と認められる範囲内であれば、元従業員の家族への見舞金であっても福利厚生費として差し支えありません。
中小企業では、社内規定などの整備まで手が届かず、在職中の従業員の慶弔規定すら定めていない場合も多いでしょう。
しかし、「一定の基準」を」定めていないからと言って。交際費として取り扱うのでは慶弔金の支給の実態と合いません。
見舞金としての実態があり、社会通念上相当と認められれば、交際費に含めなくても良い訳です。
税務は常識がベースと心得ます。
税理士 冨岡弘文