会社の資本金ってお金だけ？車を出資にしたいけど。

会社を設立するときには資本金が必要で、発起人は最低１円以上の出資を行う事となります。
資金を準備するのが一般的ですが、資金の代わりに現物で出資をすることもできます。

以前から個人で事業を行ってきたところ、対外的な信用を高める為にも「法人成り」に取り組むケースは多いです。

 

この場合に資本金を積み増すために、現金に加えて、例えば、これまで使ってきたトラックを資本金に充てようかというケースです。

（詳しいことは司法書士さんに聞くべきですが、もう少し）

この現物を出資金として取り扱う事を現物出資と呼びますが、現物出資は金銭による出資とは異なり、その額面の評価がポイントです。

この評価額が適正でないと、債権者に不利益が生じたり、複数の発起人の間で不公平が生ずる可能性があるためです。

会社設立時のタイミングで現物出資が出来るのは、発起人だけです。
（逆に考えれば、手元に現金が無くても会社が必要な「現物」があれば、発起人になれますね！）

現物出資できる財産は、譲渡が可能で貸借対照表に資産計上する財産ですが、形があるものとは限りません。
自動車や機械等の動産のほか、土地、建物、有価証券、営業権、商標権などの無形固定資産なども対象になります。

 

さて、税務や会計に戻ると

仮に評価額が5000万円の土地を現物出資した場合、資本金は大きい割に、実は手元資金は寂しいという事になるかも知れず。

また、税務上は資本金1000万円のラインで法人住民税均等割りや消費税で取り扱いが変わることに注意が必要です。
これを意識しないと、残念なことになりかねません。

更に、出資により不動産に移転があれば、資産の譲渡についての所得税や、所有権移転登記にかかる費用や税金が発生します。

 

ところで、現物出資を受けた会社は、裁判所が選任した弁護士などを検査役とした調査を受けなければなりませんが、現物出資額が500万円以下なら調査は不要で、費用が助かります。

この為、私の経験(少ないけど）では、一般に現物出資額は500万円以下になるように取り組みます。

資本金の金額は会社の信用力を判断する指標です。
会社の業務に関する姿を現した規模であるのが自然な姿。

会社の業務を行う上で、必ず必要な車や機械などは、設立後に買おうと思ったら現金を調達せねばならず、資本金で足りなければ「いきなり借金！」となります。

この場合には現物出資は有効な手段でしょね。