◆「大丈夫かよという感じがしないわけじゃない」(2月26日、麻生太郎財務大臣)―衆院財務金融委員会で。消費増税対策のポイント還元制度について、「なんとなく話を聞いていると『大丈夫かよ』という感じが正直しないわけじゃない」と述べ、予算の肥大化に懸念を隠さなかった。キャッシュレス決済に対するポイント還元制度の費用として経産省は2019年度予算に2798億円を計上したが、制度設計のずさんさなどから上振れ要因を次々と指摘されている。経産省を突き放した形の麻生氏の発言に、委員会室には失笑が広がり、質問に立った野田佳彦前首相は「大臣が心配ということは、愚策ということだ」と批判した。
◆「医療費非課税という現在の仕組みは限界だ」(3月1日、山本修一・国立大学附属病院長会議常置委員長)―記者会見で。今年10月に予定される消費税率引き上げによって、42ある国立大学病院本院のうち12病院で消費税の補てん不足が発生するとの試算を発表した。診療報酬は消費税がかからないが医療機器などの仕入れには消費税がかかる「医療損税」問題を解消するため、増税時には公定価格である診療報酬も引き上げられることが決まっている。しかし報酬改訂を踏まえても病院によってはマイナス5.8億円の損失が出ることが試算で明らかになり、山本委員長は「現行の医療非課税という仕組みは限界に来ている。診療費の課税に向かって病院団体が一致して動かないといけない」と危機感をにじませた。
◆「税の無駄遣いといわれても、辞職しかないと思った」(3月7日、泉房穂・前明石市長)―市長選への出馬会見で。職員への暴言が問題となり市長職を辞任したが、「5000人の署名を集めてくださった支援者に出馬要請をされた」として、「悩んだ末の」再出馬を決めた。泉氏の発言を巡っては、当初は市民からの抗議が殺到して辞職に追い込まれたが、「市民の安全のためやないか」などといった発言の詳細が報じられるにつれ、擁護の声も増えていったという。辞職せずに統一地方選を待つべきだったとの意見に対しては、「税金の無駄遣いだったとしても、市役所に抗議電話が殺到し、市政に影響を出さないためには辞職しかないと思った」と答えた。出直し選には8千万円の予算が充てられる。
~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~
第1623号 (3月25日号) より