三菱UFJ銀行の行員が支店の貸金庫から十数億円相当の金品を盗み取っていた問題を重くみて、金融庁は12月16日、同行に対し「報告徴求命令」を出した。
報告徴求命令は、金融庁が金融機関や金融商品取引業者に対して、業務・財務状況に関する報告や資料の提出を命じ、検査すること。
不正な取引の疑いや債務超過による支払い不能の恐れなど、経営を揺るがす問題が生じた際に、利用者保護の観点から事実関係や財務状況などの報告を法律に基づいて要求する。報告だけでは問題の究明が困難だと判断した場合には、立ち入り検査して詳しく調べる。
この命令に対して虚偽の報告をしたり、資料の提出を拒んだりすれば懲役や罰金を科される。
銀行は銀行法、保険会社は保険業法など根拠となる法律が異なる。
命令を通じて再発防止策の策定とその徹底を促すケースもある。
法令違反など悪質な行為が明らかになれば、業務改善命令や業務停止命令といった行政処分を出す。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。