コロナ禍の影響により事業転換に取り組むことを余儀なくされた中小企業を支援するとして2021年に設立。
所管は経済産業省。
基金設置法人は独立行政法人中小企業基盤整備機構で、初年度に約1兆1485億円の交付を受けた。
23年度の基金残高は1兆9861億円。
これまで6万6760件の中小企業による新分野展開や業態転換などの事業再構築を支援してきた。
しかし、昨年の行政事業レビューでは、新型コロナ対策の役割が終わりつつあり、基金やその事業の一部を廃止または抜本的に見直すべきとの指摘を受けた。
そのため、4月23日から公募が再開された事業再構築補助金は支援枠を①成長分野進出枠、②コロナ回復加速化枠、③サプライチェーン強靭化枠――の3つに改組。
補助上限は成長分野進出枠が1億5千万円、コロナ回復加速化枠が2千万円、サプライチェーン強靭化枠が5億円となっている。
シミュレーションゴルフやエステサロンなど特定の業態に申請が集中したことから審査を厳格化。
同じ計画書の使いまわしをAIで検知して排除する仕組みを設けるほか、これまで支給企業に対して1年ごとに求めていた報告の頻度を四半期ごとに改めた。
中小企業庁では基金方式の必要性について、「事業者が躊躇することなく事業再構築を進めるためには、あらかじめ複数年度にわたる財源を確保した上で、弾力的な執行を行う必要がある」と説明しており、事業の終了は32年を予定している。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。