グループ補助金
グループ補助金は、地震や台風などの被害が深刻な地域の中小企業に適用される支援制度だ。
被災地域の中小企業2社以上が集まって事業継続に必要な施設や設備を復旧すると、国と県から費用の4分の3、最大15億円を受給できる。
2011年の東日本大震災をきっかけに導入された。激甚災害法上の「本激」に指定された災害が対象で、16年の熊本地震や18年の西日本豪雨、19年の台風19号豪雨で適用された。昨年2月と今年3月に発生した福島県沖地震はともに本激にあたらず対象外とされていたものの、度重なる災害に見舞われたことへの配慮から特例として適用が決まった。
福島県沖地震への適用に伴い、グループ補助金による支援制度が拡充された。
まず、東日本大震災での被災やコロナ禍の影響を受けているなど一定の条件を満たす場合に補助率100%で支給される上限5億円の「定額補助」の対象者として、あらたに債務超過や繰越欠損など「厳しい債務状況の事業者」が追加された。
また、被災時に受け取れる保険金や共済金の控除方法も、受給者にとって有利に変更された。
これまでは復旧費用から保険金を差し引いた残金をベースに4分の3が補助されたが、今後は復旧費用全体の4分の3が補助されるようになる。
さらに、防災や減災を目的とする改良・補強工事が新たに補助金の対象となった。
※この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。
税理士 冨岡弘文