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取引先が夜逃げ!とりっぱぐれの代金はどうなる?

取引先が夜逃げ!とりっぱぐれの代金はどうなる?

取引先に夜逃げをされて、売掛金が回収できなくなったり、たとえ探し出せても、もはや支配能力がなく回収が見込めないというのは大ピンチです。

被害は甚大、下手をすると連鎖倒産もあり得ます。

今更ながらですが、危ない先には注意が必要。
経験してからでは遅すぎます。

せめて会社の税務申告で、未回収の債権を貸倒損失として損金にしないといけませんが、この場合に重要なのは債権が回収不能であると証明すること。
仕方がなく債権放棄をしたことが証明できれば損金にすることが可能なので、放棄する旨を相手に伝えるのも手です。
仮に相手が夜逃げをしていて内容証明が届かなくても、郵便局から戻ってきたものを保管しておけば税務署への説明に使えます。

尚、その取引先と会社に同族関係や、資本関係があると、貸倒損失として損金算入が認められない可能性もあるので注意が必要です。

また、損金に算入する時期もポイント。
早まっても、先延ばししても、否認のリスクがあるので注意。
会社更生法の更生計画開始が決定したり、債権者集会の協議が決定したときなど、債権回収が不可能となった事業年度は間違いのないところ。

一方で、銀行取引停止となり、倒産状態となっても直ちに損金に出来るとは限りません。

一番に気を付けたいのは、黒字になるまで置いておいて、節税対策で損金経理するなど、自社の都合で損金参入時期を調整することは出来ないのだという事です。

昭和の時代は、こんなご都合処理が散見されましたが、
近年は論点とされることが多いのです。

税理士 冨岡弘文

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