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相続が心配、遺留分って?

相続が心配、「遺留分」って?

相続では、最低限の財産を相続できる権利を民法で定めています。
これを「遺留分」といいます。

私有財産制度のもとでは、自分の財産は遺言で自由に処分できることとされていますが、この自由を無制限に認めると、遺産を相続できなかった相続人の生活基盤を損ねる事にもなりかねないといった判断から、日本では一定の相続人については、最低限の相続分について遺留分として認めています。

①直系卑属だけが相続人であるとき
・・・相続財産の2分の1(相続人が数人いるときは均分)

②直系卑属と配偶者が相続人であるとき
・・・相続財産の2分の1

③直系尊属と配偶者が相続人であるとき
・・・相続財産の2分の1

④兄弟姉妹と配偶者が相続人であるとき
・・・配偶者のみ相続財産の2分の1

⑤配偶者だけのとき
・・・相続財産の2分の1

⑥直系尊属のみが相続人のとき
・・・相続財産の3分の1

⑦相続放棄などにより相続権を失った者
・・・遺留分なし

⑧前掲以外
・・・被相続人は財産の2分の1まで処分可

セミナーなどで、遺言書について語ってきました。
戸籍制度が存在しない欧米では、遺言書が無いと、そもそも誰が相続人かが問題なので、遺言書が普及しているようですが、日本では滅多にお目に掛かりません。

個人的には、普通のご家庭なら、どうしても必要とは思いません。
夫婦が残した財産であれば、残った配偶者の余生の安心が第一と思うからです。
子供は、自分で人生を築くべきですし。

一方で、もしもお子さんの居ないご夫婦であれば、迷わずお勧めしています。

例えば夫に先立たれた奥様に遺言書で「すべての財産は妻の○○に相続させる」とあれば、奥様は、夫の兄弟姉妹と遺産分割協議をする必要が生じません。

兄弟姉妹には遺留分が無いので、「このような遺言書があったので、そのように手続きをします」と伝えればいい訳です。

夫の兄弟と、遺産の取り分を話し合ったり、最悪、自宅の権利を主張せねばならなくなるなんて辛いですものね。

 

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