改正電子帳簿保存法の猶予措置とは、2021年に施行した改正法への対応期限を事実上引き延ばす救済措置のこと。23年度税制改正で盛り込まれた。
改正法により、電子データで受け取った請求書や領収書などの税務関係書類については、一定の要件を満たしたシステム上のデータファイルに保存しておかなければならなくなった。
従来のように紙に印刷して管理しているだけでは税務書類としては認められず、「仕入税額控除の否認や、青色申告の承認取消し等の対象となる可能性がある」(国税庁)という。
ただ、保存要件の複雑さやシステムの導入コストなどを理由に多くの事業者で対応が進まなかったことを受け、23年末までの時限的な救済策として「宥恕措置」が設けられた。
改正法の要件を守っていなかったとしても、「やむを得ない事情」があり、税務調査時にデータを提出できれば法律違反にならなくなった。
それから1年が経過した段階でも状況が改善しなかったため、23年度税制改正では宥恕措置を実質的に恒久化する「猶予措置」の導入が決まった。
改正電帳法の要件を守っていなかったとしても、「相当の理由」があり、税務調査時にデータを提出できれば法律違反にならないという。
相当の理由がどの程度まで認められるかは未確定だ。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。