下請法
下請法は、取引上優位な発注事業者(親事業者)が下請け事業者に対して不当な要求をすることを禁じた法律だ。正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」。
政府はこのほど、下請法の規制対象拡大に向けて調整に入った。
これまで例外的に規制から外れていた資本金1千万円以下の親事業者に対し、新たに下請法を適用する方針だ。
規制を広げることで、政府が「小規模事業者と取引が多い」とするフリーランスの保護や、兼業・副業の促進に繋げるという。
公正取引委員会が書面調査や立入検査などを通じて発注者を監視し、禁止行為が明らかになると指導や勧告を行う。勧告を受けた事業者は公取委のホームページ上で公表される。
同法では親事業者の禁止行為を定めている。
規制対象となる代表的な行為としては、①下請事業者による納品を拒む「受領拒否」、②期日を過ぎても代金を支払わない「下請代金の支払い遅延」、③正当な理由なく代金を下げる「下請代金の減額」、④一度受け取ったモノを正当な理由なく返品する「不当返品」、⑤一般的な対価と比べて著しく低い代金を指定する「買い叩き」、⑥特定の物品やサービスを無理やり買わせる「購入強制・役務の利用強制」、⑦親会社の禁止行為を通報した下請事業者に対し取引上不当な扱いをする「報復行為」――などがある。
この記事は「税理士新聞」から許可を頂き転載しています。
税理士 冨岡弘文