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「税制改正大綱」って?

「税制改正大綱」って?
より良い税制を目指し、税理士も頑張る!

日本の税法は毎年改正が検討されています。

7月中旬に日本税理士会連合会の発行する税理士向けの機関紙で、令和4年度税制改正建議書が纏まったと、調査研修部より報告がありました。

最重要事項の筆頭は「インボイスの見直し」です。
現場の感覚では事務負担にしろ、市場取引に与える影響にしろ大きすぎて、看過できないというものです。

 

さて、毎年春になると、税理士会の支部の研修部から、我々会員にも税法改正についての意見があったら提出してくださいと案内があります。
税理士になりたての頃は熱心に意見を考えたものでした。
(今でも、熱意はありますが!)

 

税制改正大綱とは、翌年の税制改正案の提出に先立ち、12月中旬を目途に政府・与党が発表する原案のことです。

大綱が出るまで、ほぼ一年がかり。
前年度の税制改正法案が国会で成立するのが春ごろで、既に各業界団体や士業団体の地方会などが次の税制改正に向けた要望案などをまとめ始めています。
それらの内容を検討し、反映させた要望書や建議書といったものをそれぞれの業界の中央団体が作成するのが、6月から8月頃となります。

我々税理士会なら、全国の地方会が支部単位で会員から意見を募り、選定の後、公表し、中央組織である日本税理士会連合会が「税制改正に関する建議書」を決定するのが6月下旬ごろ、税務症や国税庁に提出するのが7月中旬となります。

各業界からの要望を受け取った省庁では政策目的なども含めて検討を加え、おおよそ9月上旬までには全省庁からの改正要望が出揃います。
その後は自民・公明の両与党の税制調査会がそれぞれの要望について議論を行い、首相の諮問機関である政府税制調査会の意見を加えて、更に議論を深めていきます。

そして、自民・公明それぞれの税制調査会で大綱が決定されるのが12月上旬となります。
意見が分かれてもつれることもありますが(消費税の軽減税率のときのように)、年内に閣議決定されて、大綱が完成することになります。

因みに、私は新米税理士の頃「印紙税の廃止」の意見を提出し、東京地方税理士会でも同様の内容を意見書に盛り込みました。
当時から税理士業界では意見の一致があったと思います。
税理士会の建議書にはたびたび「印紙税の廃止」が載ってきたと思いますが、国は時代遅れと認識しているものの、廃止の議論に踏み切れずにいます。

税金はすべて法律で決まります。
国会議員にとっても消費税率のような一般の有権者に関心の高い税目については、熱心に忖度しますが、日常生活に影響の少ない税目についてはナカナカ手がつきませんね。
現場の人間としては、時に不公平感を覚え、甚だ違和感を感じます。

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