◆「税の申告はすべて税理士に任せていた」(6月5日、CoCo壱番屋創業者の宗次徳二氏)―朝日新聞の取材に対して。自身の資産管理会社が保有していたバイオリンの名器「ストラディバリウス」を巡る税務処理の誤りについて、「申告はすべて税理士に任せていたが、私自身も考えが甘かった」と反省の弁を述べた。同氏は、ストラディバリウスのような歴史的な価値のある楽器には認められていない減価償却処理を約30丁について行い、約20億円の申告漏れがあった。当時の顧問税理士から「貸与して事業活動として使用していれば、一般的な楽器のように減価償却ができる」と説明されたという。
◆「問題発言をした国会議員に数百万円の税金が払われている」(6月5日、坪井直樹アナウンサー)―メインキャスターを務める番組で。金融庁が「年金以外に2000万円の老後資産が必要」との試算を発表したことに対し、「息子が先日20歳になって年金を納め始め、自分も30年近く払い続けている。(にもかかわらず)年金に頼るなと言ってるようなもので、朝から怒りたくないですけど、金融庁の話には本当にがっかり」と失望をあらわにした。さらに「戦争発言をした丸山穂高議員は責任を取らずに2カ月休んで、この間も給料やボーナスが何百万円と税金から支払われている。それでも私たちは働いて税金を納めているんです。707人の国会議員は何のためにいるんですか」と声を荒げて行政を批判した。
◆「われわれは脱税できない世界に近付いている」(6月8日、アンヘル・グリアOECD事務総長)―国際租税に関するシンポジウムで。経済協力開発機構(OECD)による調査で、個人や企業が本国以外に置くオフショア口座が4700万あり、その総額が約4兆9000億ユーロ(約600兆円)に上ると発表した。またOECDが主導する情報交換システムよって、2009~19年の10年間に計950億ユーロの税金や利息を得たことも明らかにし、「租税回避をしようにも、もはや隠れる場所はなくなった」と成果を強調した。同日に開幕したG20財務相・中央銀行総裁会議でも国境を超えた課税ルールの見直しが進められていることを踏まえ、「われわれは脱税できない世界に確実に近付いている」と胸を張った。
~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~
第1632号(6月25日号)