中小製靴製造事業者の経営安定化と事業多角化のため2005年度に設立された。
所管は経済産業省、基金を保有する設置法人は一般社団法人日本皮革産業連合会で、初年度に5億円の交付を受けている。
これまでに国庫への返納は行っておらず、22年度末の基金残高は9500万円。
基金の終期は33年3月末を見込んでおり、27年3月に成果の検証を行うとしている。
製靴関連産業の事業者数は、各国との度重なる経済連携協定(EPA)の締結により、22年には229事業者まで減少。その大部分が中小事業者となっている。
EPAは輸出入にかかる関税を撤廃・削減するなど特定地域での貿易・投資を促進するための条約。
輸出時にメリットはあるものの、当該国内でのニーズが高い製品であることが重要となる。
他国から人気ブランドの製品が無税・安価で輸入されてくると、国内の既存ブランドが淘汰される可能性がある。
このため技術開発支援や情報の収集・提供、利子補給事業などを実施している。
22年度の支出は1200万円で、このうち500万円が管理費。21年度は支出600万円のうち300万円が管理費だった。
外部有識者からは、毎期の事業額が僅少で、支出に占める管理費の割合が高いため、基金の合併または終了措置が必要だと指摘されている。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。
相模原市の税理士 冨岡弘文税理士事務所