理士登録当初から、(支部の部長職を務めた期間を除き)相模原市の税理士会が社会貢献として取り組む「租税教室」の講師を担当しています。
国税庁はアニメのDVDで「もし世の中に税金が無かったら、ゴミが溢れ、火事も消せず・・・」と税の有用性を伝える教材を提供していて、これを使えば講義の時間は少なくて済みますが、相模原の税理士会ではDVDは使わず、手作りで更に高度な授業を展開しています。
黒板にパネルを貼りながら、税理士や税務署の役割と意義を説明し、税の主役は納税者であること。
日本の税は全てが法律に基づくものであり、法律を制定する国会議員は選挙で決まること。
議員を選ぶのは私たち国民なので、どんな税が必要なのかも考えて「18歳になったら投票に行こうね」と、税を通じて主権者たることを説明します。
手作りの紙芝居では、若者、女性、老人と、収入が違う村人の役を子供たちに割り付けて、村の公共設備の費用を集めるのにどうしたら良いか体感してもらい、「公平」の視点から日本の税の仕組みを学ぶ話もします。
更には公共施設クイズを、班に分かれて発表してもらったり、1億円の札束のレプリカに興奮したり、45分はあっという間に終わります。
講師はメインとサブがコンビで交代しますが、かなりの修業が必要です。
しかも3クラスも廻るとへとへとで、お昼に終えて帰るときには、給食の匂いにおなかが鳴ります。
3日は私の母校である上鶴間小学校で行いました。
「卒業生です、体育館にある木彫りの校歌は、私たちが作りました」と話すと大騒ぎになりました。
50年も昔の話です。
授業の最後のクイズは小学生一人に対し1か月いくらの税金が使われているかというもの。
答えは7万円。
小学校の6年間で、504万円と言うと先生もビックリ。
「私たち大人が納める税金に感謝だね。
私も小学校は楽しかったよ。皆さんも将来は、税を納めるのだと思う。
世の中は税で繋がっているんだね。」と締めるようにしています。